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津森豊の添乗員としての10年間 思い出に残るツアーを振り返る

この4月から山旅人の専属ガイドになった津森豊です。山旅人は1年目のアルバイトから数え、おかげさまでこの4月で勤続10年となりました。いつの頃からかプロガイドを目指しはじめ、それに対する学びもいろいろと重ねて参りました。節目となるこの4月、私は会社員としての立場を終え、山旅人社員出身としては初の山旅人専任ガイドとなります。さらに2021年からは私にとって一番の師匠、小林ガイドから登山教習をはじめとする数々の定番ツアーを引き継ぐ事となりました。気の引き締まる思いです。この10年、山旅人でたくさんの事を学んできましたが、今後はその知識と技術を活かし、山旅人をさらにバージョンアップさせ、お世話になったお客様をはじめ、山旅人のスタッフやガイドの皆様へ御恩返しをさせて頂く決意です。これからも山旅人の仲間と共に山旅人が掲げるビジョン達成を目指します。引き続きワクワク楽しい山旅を皆様とご一緒させて下さい。 津森豊

今まで添乗員として日本全国津々浦々、お客様と一緒に沢山いい場所へ行かせて頂きました。今回はその中でもとても印象の深かったツアーを当時の写真と共に振り返ってみました。

 

 

2010年6月17日出発 広島県 ミヤマヨメナ大群生 牛曳山(1,144m)

山旅人の門をたたき、一番最初にサブスタッフとしてお仕事をさせて頂いたツアーとして忘れることの出来ないツアーです。広島県と島根県に跨がる比婆山山系に位置し、周辺には道後山や大万木山など、人気の山々が連なっています。この牛曳山の尾根から烏帽子山、比婆山、吾妻山へと10kmにわたる広葉樹林の縦走が楽しめる山域なのですが、中でもこの牛曳山はミヤマヨメナの群生地として地元の山好き花好きの方々が毎年通うぐらい人気のハイキングコースとなっています。明石、姫路の乗車地を出発し日帰りバスでこのハイキングを楽しむツアーでしたが、花の時期も狙い通りで満開の大群生が見られお客様も大満足の日帰りでした。

この時のチーフ添乗員は堀淳吾。数年前に山旅人を退職し、今は高野山でお仕事をしていますが、当時山旅人の中では一番若手でバリバリとツアー添乗をこなすツワモノでした。 この頃、大山で現地ガイドをしていた私は、面接として電話で堀社長とお話をさせて頂いたものの、山旅人スタッフに出会うのは初めてでしたのでとても緊張しました。何せ山陰から出たことのない私ですから山や自然についてはある程度知識と教養を持っていましたが、出発から帰着まで、ツアーを仕切る添乗員の能力を持ったガイドがどんな感じなのか見たことがありませんでしたので。ツアー出発前夜、出発地の姫路駅前のホテルで合流し夕食を食べながら打ち合わせしたのですが、とても明るい好青年ぶりに吸い込まれるように惹きつけられてしまいました。そして、当日バスが出発してツアーが始まると最初の挨拶のアナウンスから始まり・・・サービスエリアのおトイレの案内、昼食についての案内、登山口での準備案内、装備の案内、山の自然について、安全について、下山後のお風呂に、おみやげ、お帰りのご挨拶・・・水が流れるようにスムーズに進んでいくように時間を管理する。すなわち添乗員の仕事に感動した日でした。

牛曳山 ミヤマヨメナのフラワーロード。尾根付近の登山道にて踏み跡の左右に咲き誇っています。

 

 

2010年8月5日出発 徳島県 キレンゲショウマ咲く四国剣山(1,955m)

山旅人に関わってから初めて大山以外の日本100名山、四国剣山をご案内しました。剣山山系は徳島県のほぼ中央部に位置し、西日本では、石鎚山(いしづちさん)に次ぐ第2の高峰です。昭和45年に登山口の見ノ越から剣山神社のある中腹の高さまでアクセスリフトが整備されてからは軽いハイキングも楽しめるようになりました。山の雰囲気を味わえる白骨林や四季折々を楽しめるブナなどの広葉樹の森、柔らかで女性的な山容を演出する稜線一面のミヤマクマザサなど、すばらしい景色が広がっています。深い山々に囲まれているため頂上からの展望が抜群で、南西の次郎笈(じろうぎゆう)から丸石(まるいし)、白髪山(しらがやま)、三嶺(みうね)と美しい縦走路が続いています。剣山と大山の三角の位置関係にある石鎚山も条件のよい日にはそれぞれを望むことができます。 

 

立地も自然環境も良い剣山の夏の風物詩となっているのがキレンゲショウマという絶滅危惧Ⅱ類に指定された希少植物です。既にご存じの方はこの名前を小説「天涯の花」で知った方も多いのではないでしょうか。育つ環境によっては消滅することもある花のため、地元では大切に保護されています。山旅人の四国剣山はこの魅力的な山を1泊2日で満喫する企画にしています。普通関西からですと日帰りする旅行会社がほとんどですが、それではせっかくの魅力が楽しめません。特に夏は午後から夕立に見舞われるのが日本の常。1泊2日にして頂上のヒュッテに泊まれば、夕立の過ぎた夕日、星空、朝日、午前中の大展望が期待できます。

この時のチーフガイド&添乗員だったのが堀祐希社長。面接として電話で話をして以来、初めてのご対面でした。第一印象は見た目も話しもアツい(暑いし熱い)方だなと。私が大山で現地ガイドとして10年間続けてきた仕事のことを詳しく語ると、その大山に対する情熱をツアーにしようと堀社長が提案してくださいました。この翌年から今日まで続くベストセラーの人気企画「山頂小屋に1泊 伯耆大山を満喫」のツアーが出来上がった瞬間でした。

 

2010年8月17日出発 北アルプス 雲ノ平から水晶岳(2,986m) 鷲羽岳(2,924m)

ここまでくるとなんだか初めてシリーズになっている気もしますが、例外ではなく津森が初めて行った北アルプスです。山が大好きなので個人山行で行きたいとは常々思っていたのですが、グリーンシーズンは大山で現地ガイドをしている自分でしたのでなかなかそれ以外の山域に行く機会もなく、山旅人と関わることが未知の経験を積ませて頂く素晴らしい機会となりました。北アルプスのヘソと呼ばれるこの山域はいくつかの入山口からアプローチできますが、ツアーのペースではどこからアクセスしても入るのに2日、出るのに2日かかる日本で最も奥深い登山ルートとなります。老若男女の登山愛好家に憧れられる雲ノ平は自然環境も雰囲気も日本屈指の場所だと思います。この時のスタッフは山岳ガイドの豊田嘉英さん、サブガイド&チーフ添乗員の岡本哲也(現在部長で、でぶっちょ)。私はサブのサブで同行。

豊田ガイドは映画「剱岳点の記」で主役の柴崎芳太郎役を演じる浅野忠信さんのスタントマンとしてロケに参加。もともと立山の剱御前小舎のオーナーをされていて、この映画の撮影終了と同時にガイド業に転職されました。山小屋経営者とのつながりも深く、特に立山から北アルプス北部では豊田さんの顔のお陰で山旅人も沢山の恩恵を頂いています。岡本部長は当時から第一線で活躍する山旅人の看板添乗員。お客様に対して優しく丁寧に接客する姿勢は10年間私の目標でした。この翌年から入社することになる島根出身の私を添乗員として独り立ちできるよう丁寧に指導してくれた一人です。

 

2010年8月27日出発 北アルプス 山旅人登山教習 修了検定 槍沢から槍ヶ岳(3,180m)

1月から9月まで3シーズンを通じて全7回で学ぶ登山教室ツアーです。
小林孝二ガイドが30年間のガイド人生を活かし企画立案され、登山を快適かつ安全に楽しむためのコツを指導してくださいます。おかげさまで毎年途切れること無く開催し、今年で11期を迎え、第1期から数えて延べ200余名の皆様に学んで頂いている実績のある教室です。この時は第2期登山教習 最後の修了検定となる槍ヶ岳へ。この時初めて小林ガイドと出会い、そのオーラに山岳ガイドの技術の深さに感銘を受けたのを覚えています。

横尾山荘を出発し、槍沢から槍ヶ岳を目指します。

 

槍ヶ岳は北アルプス中央部に位置し、槍ヶ岳から東西南北の4方向に伸びる尾根は東に表銀座コース、西に裏銀座コース、南に大キレットを経て穂高連峰、北に加藤文太郎でお馴染みの北鎌尾根へと広がっています。どこから見ても突出した槍の穂先のようなピークが象徴的で、その存在感は抜群。登山を始めた方がいつか登ってみたいと必ず憧れる山です。山旅人登山教習は最終目標としてこの槍ヶ岳登頂を目指します。

 

槍ヶ岳登頂まであと少し。登山を始めたばかりの参加者の皆様は1月から3月の日帰り歩行訓練や4月の登山用品座学講習、5月から始まる2泊3日の合宿ツアーを2回経て最後の槍ヶ岳へと挑戦します。小林ガイドの丁寧なレッスンで参加者一人ひとりが理解できるまで何度も何度も繰り返し練習をしながら徹底的なフォローのもとで目指せるのが魅力です。

全員無事に登頂。槍ヶ岳の頂上で今期の大役を果たし、その余韻に浸っている小林ガイド。山岳ガイドを目指す私の憧れであり、その背中をずっと追いかけて来ました。

 

全員登頂した後のチーズ!写真を撮影しているのはチーフ添乗員でサブガイドの堀社長。小林ガイドとの阿吽の呼吸でお客様を楽しませる技術にも感動しました。これをきっかけに翌年4月から山旅人への入社が決定し、社員として添乗業務を通じて山のことを学ぶこととなります。そして、早いもので10年の月日が経ち、今後2021年からこの登山教習を津森がメイン講師として任せて頂くことに。小林ガイドの魂を引き継いで、今の時代に合わせアレンジをしてお客様のためになる教習にしたいと思います。そしてそのバトンを次の世代に繋げられるよう頑張ります。とても身の引き締まる想いです。

 

2011年4月12日出発 山梨県 日本100名山 大菩薩嶺(2,057m)と桃源郷ハイキング

山旅人に入社して初めての一人添乗のツアーがこの大菩薩嶺でした。
日本百名山に数えられる、甲府盆地の北東、山梨・東京・埼玉とつながる秩父多摩甲斐国立公園の中にある大菩薩嶺。江戸時代には、武蔵国と甲斐国を結ぶ旧青梅街道の重要な峠だったそうです。標高2,057m。車で行ける最も標高の高い登山口は1,600mなので少ない標高差で登りやすく、特に東京からの日帰り登山者に人気の山です。

カラマツ林や鬱蒼と茂った苔むす森、岩場や高山植物の群生など変化に富んだ登山道も魅力的です。登山コースのバリエーションが豊富で初心者からテント泊のハイキングまで幅広く楽しめます。展望が素晴らしく南アルプス、乗鞍岳、八ヶ岳、雲取山、そしてなんと言っても裾野まで見える富士山の景色は抜群です。

 

ちょうどこの時期、甲府盆地は桜や桃の花期で慈雲寺のイトザクラや桃園の桃の花など桃源郷の名にふさわしい美しさでした。

 

武田信玄ゆかりの史跡も巡り、美味しい勝沼ワインも頂いて。お客様と旅を満喫するはずでしたが・・・初一人添乗のワタシにはそんな余裕は無く・・・

 

ガイドの豊田嘉英さんと現地で合流するべく、バスで大阪を出発して一路中央道で甲府へ。ところが島根県出身の私は大阪の集合場所と高速道路のルート検索もおぼつかないありさま。お客様は12名おられましたが皆さん山旅人ツアーによくご参加を頂く方ばかり。しかも関西在住の方ばかり。山旅人の事を一番知らないのは私ですし、旅行のことも一番知りません(冷汗)。パーティーの中で最も緊張していたのは間違いなく私だったと思います。高速道路でのおトイレ間隔やサービスエリアでの休憩の時間配分もわからず、宿の案内も、登山準備の案内も・・・。お客さんに暖かく見守って頂いた状態での初添乗。今でも思い出すと顔が赤くなります。。堀社長を始めとする身体も頭も筋肉質な山旅人のスタッフの中で一番優しく教えてくれた岡本部長。心から感謝しております。

 

2011年5月12日出発 長崎県 ヒトツバタゴ咲く対馬と壱岐の島

幾度かの一人添乗の経験を経た後、長崎県にある美しい島へ。
お隣の韓国までわずか50kmに位置する自然にあふれた国境の島・対馬、 島中に点在する美しいビーチと、ウニやイカ、壱岐牛など多彩なグルメが自慢の壱岐、 豊かな自然と、島ならではのグルメを存分に満喫するツアーです。
対馬の中央に広がる浅茅湾(あそうわん)の北岸では複雑な入り江と無数の島々がおりなす典型的なリアス式海岸の雄大な景観を一望できます。

 

同行したガイドは馬場康法さん。馬場さんも元々は添乗員で、現在は大阪府羽曳野市で「からだごころ整体院」を開業。院長先生を務めながら山旅人のガイドをされています。登山ガイドの経験も豊富で整体師の観点から、何歳になっても登山を楽しめる身体の作り方を指導しておられます。身体の調子を整えたい方は是非ご相談下さい。

「からだごころ整体院」鉄南大阪線 恵我ノ荘駅より徒歩5分. 電話番号:072-220-8341

白嶽の展望岩にて。この時初めて知ったのですが、馬場ガイドは高所恐怖症。写真もなんだかおっかなびっくりですね。そういえば移動の飛行機でも終始座席に座らずお尻を浮かせて空気椅子で座ってたなー。と思い出しました(納得)

 

対馬といえば想像に浮かぶ花はこのヒトツバタゴです。純白の羽根のような花弁が無数に集まり遠くから見るとふわっとしていて、この木が群生する森は見下ろすと晴天に照らされる浮雲の様です。訪れた時は満開でそれはそれは美しい景色でした。

 

これはどこに有ったか言えませんが、キエビネの大きな株です。離島に行くと害獣などの数が少なく、この様な希少な植物の群生に出会えることがあります。この時は鬱蒼とした針葉樹林の中に沢山の群生株を見つけました。新鮮で美味しい海の幸や山の幸をたっぷり頂き、対馬と壱岐の自然を満喫する4日間、観光要素の多い島巡りの面白さに気づいた私・・・そうだ、島根には隠岐の島があるじゃないか!ということで全島巡りの隠岐の島の企画を作りました。お気楽に巡る隠岐の島へは誰と行っても面白いとは思いますが、せっかくなら地元ならではをご案内できる津森と参りましょう~。

 

 

2012年5月9日出発 新潟県 花の大佐渡山脈縦走

日本では沖縄に次いで2番目に大きな島、佐渡島(さどがしま)は、新潟県西部に位置する島で、本州本土から40kmほど離れた位置にあります。そのサイズ、独立していた市町村、加えて対馬暖流が生み出す気温差によって動植物ともに異なる生態系を持つ佐渡島は、日本の縮図とも言われています。確かに車で島を一周してみるとどこも景色や植物が異なり、まるでバックパッカーになり違う国をはしご旅している様な気分になります。山旅人では4月のオオミスミソウが咲き乱れる小佐渡で花散歩や、この5月の青ネバ渓谷から金北山までの大佐渡山脈縦走など、佐渡島の自然を満喫するツアーを毎年行っています。豪雪地帯で自然環境が厳しいことと、植生を荒らす害獣がほとんどいないため、北海道とはまた違う高山植物が咲き乱れ素晴らしい景観が広がっています。花好きの方は必ず行って頂きたいとオススメできる島です。

ドンデン山荘を出発して金北山への縦走路。島の平野部を見下ろし、遠くは本州の飯豊連峰など名だたる山々を一望できます。

 

青ネバ渓谷から尻立山へ。ニリンソウの咲き乱れる登山道を行く。

 

これは珍しい!花弁が緑に透き通ったニリンソウ。食べたらとても美味しい山菜ですが、すぐお隣に猛毒のトリカブトが混成していることが多いですし、その土地をよく知っていて採る権利を持っておられる地元の方だけの特権です。山旅人ではこの佐渡島をはじめ、大山、白神山地など山菜のお裾分けを頂く地域密着のツアーも力を入れてやっていますよ!

 

山陰出身の津森が一番衝撃的だったのは葉に符のないカタクリ。山陰のそれとは別の種とおもえるぐらい大きな草丈と花のボリュームにはとても驚かされました。佐渡の晴天に映える俯いたそれを写真が素人の私でも夢中になって地面に寝そべり良いアングルを求めて撮りまくったのを覚えています。大山で植物を勉強し、それをもとに他地域に咲く花々を同定する楽しみを知ったのもこの佐渡島でした。

もうこれ以上反り上がりようの無いぐらいオールバック状態のカタクリ。本当に美しい花ですね!対馬と壱岐に続き、島旅が癖になってしまいました。

 

 

2012年5月23日出発 秋田県 テントで楽しむ世界遺産 白神山地

鳥取県大山で現地ガイドをしていた津森にとっては、世界一のブナの森である白神山地は絶対に行ってみたい場所でした。その自然環境を見たいというのはもちろんでしたが、もう一つ目的がありました。それは白神山地で生まれ育った二人に会うためです。一人は秋田県側の世界遺産センターでずっと勤続をしてこられた斉藤栄作美ガイド。もう一人はこの白神の森でマタギの棟梁をされていた佐々木伊一郎さんのご子息 佐々木伊作さん。山旅人の白神ツアーでは、このお二人が地元のお仲間と共にお客様を存分に楽しませてくださいます。その楽しませ方というのがどういうものか、ブナの森の魅力を伝える者同士として、とても興味があったのです。

世界遺産核心エリアを見下ろす小岳への登山。登山道に唯一ある歩道の案内板はツキノワグマの格好の玩具。ペンキやニスの匂いに惹かれるのか、爪を立てて登ったり外枠の丸太をかじったりした跡が残っています。そう、ここは人口(じんこう)よりもクマ口(くまこう)の方が多いのです。遭遇を避ける安全管理も斉藤さんと佐々木さんの大切なお仕事の一つです。

 

白神山地は豪雪地帯。冬の間、何メートルも降り積もる雪はブナの木が凍らないよう布団の役割を果たします。雪解けの進む春、まだ林床に雪がたっぷり残る頃にどの樹木よりも最初にブナの芽吹きが始まります。新緑の森に太陽の光が差し込むと、もえぎ色をした薄い新芽の葉が光線を透過し森一面が薄緑色に。場所によって白い残雪がむき出しになっている林床では緑の光線が下から照り返してライトアップするのです。

広大な森を歩いているのは私。太陽の光が差し込むのを待っています。

 

白神山地は秋田県北西部と青森県南西部にまたがる約13万haに及ぶ広大な山地帯の総称です。ここには人為の影響をほとんど受けていない世界最大級の原生的なブナ林が分布し、この中に多種多様な動植物が生息・自生するなど貴重な生態系が保たれており、1993年12月に世界自然遺産に登録されました。

小岳頂上にて、見下ろすブナの原生的な森は世界遺産核心エリアです。斉藤さんの森の話を聞きながら、白神山地の自然の深さを感じます。

 

新緑の時期に白神山地に訪れたお客様は、もえぎ色の新緑の森を見た時に必ず「これって秋はいったいどんな景色になるの?」とおっしゃいます。それぐらい新緑の景色は美しく、それと対比するように紅葉の魅力について興味が湧くのでしょう。

こちらは秋、白神岳へと向かう登山道。白神山地のブナの葉は西日本の同じ様な立地に生育するブナの葉と比べて1.5倍の大きさがあります。これは膨大な残雪から得られる水の量が多いことと、南方よりも短いグリーンシーズンに少しでも多くの光を浴びて栄養を多く作ろうとする木々の営みによるものかと思います。

大きく育った葉は秋が進むに連れ昼夜の寒暖差が大きくなってくると落葉の準備を始めます。まず葉の付け根の部分で根から吸い上げた水の行き来を遮断して循環を止めます。日中変わらず光合成し続ける葉には循環できない栄養が貯まり色素となって表面に現れます。これが紅葉の原理。

通常、ブナの葉は黄色く色づきますが、白神山地をはじめ東北地方のブナは、栄養が貯まりすぎて黄色を通り越し、勢い余ってオレンジ色に色付きます。そこに太陽の光が透過して森全体がゴールドカラーに。キツネかタヌキに化かされたの様な大判小判がざっくざく~ の輝きが森全体を包みます。

落ち葉の堆積した林床から覗く倒木にはナメコやナラタケ、ブナハリタケ、ムキタケなどそれはそれは元気なキノコ達が顔を出していて、精一杯の森の営みを感じます。ここで斉藤さんと佐々木さんが森のお裾分けを頂き、大自然の森の中で過ごす夕食で振る舞ってくださいます。

どうでしょう。この美しい写真とコメントを見ていると白神山地に行ってみたーい!と思われたのではないでしょうか。関西から比較的行きやすい西日本随一の美しさを誇るブナ林の鳥取県大山で、私がお客様をご案内する時は決まって、「この森が美しいと思われた方は是非白神山地に行ってみて下さい。自然環境は大山の10倍深く、ブナの森は大山の100倍大きいですよ。」とお話します。皆様もまずは気軽に行ける大山でブナの森を歩いてみませんか。

ブナの森は春の新緑も、夏の活動最盛期も、秋の紅葉も、冬の冬眠期も、行けば身も心も癒やされ、ブナの森の湧き水を飲むと身体に染み渡るように美味しく感じる。私の勝手な感覚ですが、大山の現地ガイドから数えて20余年、ブナの森へ何千人ものお客様をご案内してきた中で、この森の風景を見て気分が悪くなった方や、ブナの森の湧き水を飲んで不味かった方は一人もおられなかったと思います。きっと人類誕生の時代から日本ではこの森の環境が存在してて、人々はこの森と共に生きてきた。それを私達の身体の中のDNAが覚えていて、ブナの森に入れば懐かしい感覚で癒やされたり、水が美味しく感じたりするのではないでしょうか。そう考えると、なんだかロマンですなぁ~。

白神山地の斉藤さん、佐々木さんのお客様に対する情熱的なご案内を見て、私も大山でどんなことが出来るかな?と試行錯誤を繰り返してきました。そして現在では大山のツアーも、山旅人と私にしか出来ない地域密着型の楽しいツアーに仕上がったと思います。次回のブログでは大山に焦点を当てて特集したいと思います。

振り返ると最初は日本全国、後に海外各地と皆様に同行させて頂き沢山の学びを得ることが出来ました。山旅人のお客様とベテランガイドの皆様に今までのご恩返しをしたいと思っています。もっと面白い旅作り、もっと楽しく安全に。山旅人が素敵な旅行会社になるように、もっともっと熱中して取り組んで参ります♪津森

 

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