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鳥取県 大山美しいブナの森特集 秋編

標高900mの鍵掛峠展望台からのワンショット。これから色付く紅葉に期待が高まります。

 

皆様こんにちは!この4月から山旅人の専属ガイドになった津森豊です。今回は私がガイドの拠点として20年間活動した鳥取県 大山のブナの森をキレイな写真と共にご紹介します。山旅人のツアーでは大山鍵掛峠古道(ツアーレベル2)、東大山縦走(ツアーレベル5)、伯耆大山頂上で1泊(ツアーレベル3)など幅広くブナの森を楽しむ企画を行っています。今回は紅葉の森に焦点を当ててみましたので御覧ください!

 

 

標高800m付近。ブナの2次林は木々の密集度が高く、林床に他の植生が育つのを許さないため見通しの良い風景が広がります。

 

標高900m~1,000m付近。太陽光線の力で春は薄緑色になった森。秋になるとゴールドに。風にそよぐブナの葉は波トタン型をしていて、まるで小判の様です。

 

 

晩秋、落葉が進むと、ブナの落ち葉は林床に堆積してフカフカの絨毯を作ります。カサッカサッ、シャクッシャクッ、っと美しい踏み音を立てながら歩くことが出来ます♪

 

 

標高1,100m~1,200m付近。極相林から森のストーリーが聞こえてきます。今年も懸命に光合成をして働きました。秋の紅葉は自分の樹体の水分循環をストップさせ冬の冷たさから樹体が凍るのを防ぐための準備活動の現れ。まだ光合成が続く葉に蓄積した栄養分は美しい紅黄色を表します。最後は栄養分たっぷりの葉を枯らして林床に蓄えるんですね。

 

 

上を見上げると、自分が伸ばす枝は先の先まで絶対にお隣さんには触れないように成長してるのがわかります。生える高さを変えたり、伸びる方向を変えたりしながらお隣の枝と折り重なるように自分のテリトリーを広げて太陽光を獲得していきます。でも決して触れません。枝が触れると傷付いて、そこから腐れて最終的に自分を滅ぼす事を知っているんですね。そんな様を見た人間が勝手に付けた呼び方ですが、「樹幹の恥じらい」と言います。今度山に行ったときには、本当かどうか森を見上げてみて下さい♪

 

周囲の木々との生存競争に勝って太陽光を独占。しかし人生の勝ち組になったのも束の間。森の中で一人だけ成長しすぎた個体はいずれ風当たりが強くなり、雷の標的に晒され、雪の重みを一手に引き受ける事になります。耐えきれず折れて次の世代に交代します。人の手が付かない森はこうやって自然のサイクルを繰り返しています。

 

損得も欲もなく自分を守って自然のままに成長を続け、子孫を繁栄するためだけに生きる。ブナの森に入ると何百年も掛けて行われる森のストーリーを肌で感じ、人生勉強をさせてもらっているような気になるのは私だけでしょうか。

 

そして忘れてはいけません!秋の森のもう一人の立役者。朽ちた木々の分解屋さんです。夏の間一生懸命地面に伸ばした菌糸から一斉に期間限定の実体を実らせます。

 

美しくて美味しくて。秋の森を彩る名脇役です。

※猛毒のものがありますので誤食は大変危険ですし、国立公園や地元のルールがありますので勝手に採るのはやめましょう。山旅人では地元の方々の協力を得て楽しんで頂くツアーを企画しています。お好きな方は是非、山旅人でおこし下さいませ♪

 

大山のブナの森は如何でしたか。急峻な岩峰を頂く大山は、世界一のブナの森と呼ばれる世界遺産白神山地(秋田県と青森県にまたがる)とはまた違う、美しいブナの森の景色を見せてくれます。今回は秋の紅葉シーズンの写真を厳選しましたが、冬、夏の森も素晴らしいので今後またご紹介しますね。一刻も早くコロナ禍が終息して、皆様と山を歩ける日を夢見ながらお送りしました!津森

 

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