
山旅人の研修の中でも、最も過酷とされる「ビバーク研修」を今年も実施しました。ビバークとは、登山中にやむを得ず行う緊急野営のことです。この研修では、添乗員・ガイドともに日帰り装備のみで山へ入り、同じく日帰り装備のお客様役を務めるスタッフとともに、安全に一夜を過ごす訓練を行います。テントや寝袋といった装備は一切使わず、ツエルトなど最小限の道具を駆使して夜を越します。今年は土砂降りの雨が2日間続きましたので、かなりリアルな研修が出来ました。


事務所に集合し、四国徳島へ向けて大雨の中、出発。岳人の森「観月茶屋」で最後の昼食を済ませたら、暗くなるのを待ちながら、安全管理についてのミーティング。夕暮れになっても雨はやまず、雨具をつけて、準備を済ませ、暗闇の中出発。


下山が遅れ、明るいうちに下山することが不可能となり、ビバークを判断。雨の夜間歩行も体験し、その危険性を実感。


参加者に対する説明のロープレもしっかりと行います。


真っ暗な雨の中でツエルト設営。


安全な場所を確保したら、濡れた落ち枝を使っての焚き付け訓練。もちろん地主さんの了解を頂いております。慣れないスタッフは数時間格闘しても火がつかないこともしばしば。


この研修を通して、実際に限られた装備で山の中に一晩泊まると、どの様になるのかを経験することが出来ます。このまま明るくなるまで、限られた食料だけで過ごします。


今年は、新潟のトラベルマスターズ 岡村専務も受講。昨年の当社ブログをご覧になり志願されました。また、真夜中の研修中、なんと深夜に1人で私達のビバーク地を予測し、様子を見に来てくれた岳人の森の山田充さん。最初現れた時は幽霊かと思いました(^_^;) さらに、見学させてほしいと、岳人の森の従業員で、現役自衛官の沼ちゃんも同行してくれました。恐るべし、岳人の森スタッフ達(*^^*)


とても長い長い一夜が明けました。「飛ぶ鳥跡を濁さず」しっかりと始末をして原状回復。明るくなったら安全を確認して下山開始。


下山するまで雨は振り続けました。下山後、充さんの料理はいつもにも増して身にしみました。しっかりとスタッフ同士で振り返りをして解散しました。

この研修の目的は、万一の時にお客様を安全にビバークさせる技術を身につけること。そしてもうひとつ、大切な目的があります。
実際に限られた装備で山の中に一晩泊まり、その大変さを自分自身で経験すること。
そうすることで、「行程にゆとりを持つことの大切さ」「暗くなる前に下山することの大切さ」を、頭ではなく身体で理解してもらいます。
年間数百本のツアーを催行し、来年で25年。
これまで下山が大幅に遅れたことは何度かありましたが、おかげさまで実際にビバークとなったことは一度もありません。
でも、山のトラブルはいつ起こるかわかりません。
だからこそ、「心も、身体も、装備も万全に準備する。そして、トラブルは起こさない。」
山旅人は、これからもそんな会社を目指し続けます。
山旅人代表 堀 祐希
講師:武村美一 受講生 堀・三木・岡本・宮城・西﨑・長谷川ガイド・岡村(トラベルマスターズ社員)




